【再掲】なろうで散見される「乙女ゲームの世界へ転生」物の考察

■これはどこかで公開していた記事の何度目かの再掲かつ修正版です。


小説になろうではいくつか人気が出やすい設定があります。
SAO以降「”ゲーム”の中に入ってしまう、あるいは転生してしまう」と言うパターンがその代表格だと思います。

更に、女性向けの場合「乙女げの世界に入り込んでしまった結果の恋愛物語」が非常に多いです。
多い上にブクマもいっぱいです。

で、この設定、あまり触ってこなかったものなのですが、分解してみると面白くなる要素がいっぱいで非常に優秀だと気づきました。



その一、トリック的にいいんじゃね?

これ、アレなんですよ「ループもの」のような楽しさがあるんです。

主人公は大抵前世=現代で当該ゲームをしていて、それ故先に起こることや人物の裏の事情を知っているんです。
次はこうなるから自分はこう動く、と言う理論的な……というほどではないですが、戦略性のある行動を取ります。
そしてそれが裏切られたり、まんまだったりど読者としても目を離せない。

これは、乙女げだけじゃなくて他の「知っている作品の中に入り込んじゃった」系作品になんでも言えると思います。



都合が良いことへの言い訳

まあ、「乙女ゲームの世界へ」と聞いてまず思うのは「イケメン・パラダイス」ってことですよね。
何の疑問も無いですよね。
だって乙女ゲーですもん!

エンターテイメントに、娯楽性に、傾けば傾くほど魅力的な異性が多くなりがちです。
その状況に読者がハッと、冷静になってしてしまうこともあるでしょう。
あるいはご都合主義に作者自身が悩んでしまったり。

ですが乙女ゲーです。
乙女ゲーという言い訳を手に入れたので、登場する男性が全てイケメンお金持ち性格よしで良いのです。
皆同じ特定の女性に入れ込んでていいのです!



テンプレートを使えるので読者が理解しやすい/書きやすい

属性単語を(腹黒とかツンデレとか)いくら使って説明しても許される。

更に更に!! 
メタ視点での説明を主人公一人称で入れられる。
これは完全に書きやすい。
ベスト・オブ書きやすい。

そもそも、ですよ。
タイトルに、説明に、冒頭に「乙女ゲーの世界に」って書いてしまえば対象者を一気に除外できるんですよ。 
乙女ゲームという枠が内包する意味が多すぎる。

逆にボトルネックになることもありそうですけどね…… 乙女ゲームを知らない人には全く意味のない作品となってしまう。



少女漫画に伝わる伝家の宝刀もある

「転生」ならともかく「落ちちゃった」となると相変わらず異世界召喚ファンタジーとしての萌「男を選ぶか故郷を選ぶか」が使えます! 使えますよ!!! 
乙女ゲームの人気の設定ですよ。 
乙女ゲームの人気設定をそのまま乙女ゲーム題材で使えるから不思議なものです。



とか書いておいてなんですけど、なろうで見る乙女ゲーがもっと乙女ゲーしててもいいと思うの。
みんなマイネリーベしすぎよ。


※マイネリーベしすぎ……西洋ファンタジーでドレスで王子様でライバルのお嬢様たちが割とガチでライバルなのでなろうの乙女ゲームものに一番近いと私が思っている。