二人プレイ専用ゲーム『違う冬のぼくら』をクリアした。

▼注意文

▽1.ネタバレ

この記事にはかなりのネタバレが含まれています。

『違う冬のぼくら』は通常のゲームより一回りネタバレによる楽しさの減少が高いです。
また「二人必須」なので、ネタバレを気にしない人でも相手方との兼ね合いが発生します。
プレイを少しでも検討している方はこの記事を回避したほうが良いと思われます。

ネタバレ記事を別に作ろうかな?とも思ったのですが……
一緒に遊んだ頻子さんネタバレにだいぶ配慮した記事を上げられたので、じゃあこっちは逆にネタバレガンガンした記事にしよう!と、そう考えた次第です。

なんていうか……一緒に会話しながらプレイする=その場で感想や感情も共有するなので、記事作ろうとすると被るんですよね……被らないレベルの話題をするにはネタバレが……必要になりますし……

というわけで、プレイしようか迷っててちょっとだけならネタバレ良いから~みたいな方は頻子さんの記事の方へ誘導しておきます!

違う冬のぼくらをプレイしました | すばら3
http://tentheyes.subara3.gonna.jp/?eid=244

▽2.グロや不快な描写

『違う冬のぼくら』はDOES THE DOG DIE?で「YES」が表示されるタイプのゲームです。
ふせったーでもツイートしておいてます。

犬は無事じゃないです。

当然他の生き物も無事じゃないかもしれませんね。子供とか無事だと良いですね。みたいな方向のゲームです。
後、内蔵が見えたり死体が落ちてたりします。

そういうのがあっても平気な人、平気な相手とプレイをすることを推奨です。

ついでにこの記事でもそういう画像を出していきます。注意!

下ネタは無いです。
「ネオアームストロングサイクロンジェットアーム砲じゃね?」って小学2年生のノリで言うしか無いような何かがあるくらいです。思わない人もいると思います。別にネオryなわけじゃないですし。
なんかでも思わず思い浮かぶよね??

以上、ここまでの注意文を確認してからスクロールしてね!

▼目次

▼プレイ記録

前提:

  • 一緒に遊んだ人 / 頻子さん
  • 3週目までクリア
  • 青い子=ポスアポ→赤い子=絵本 の順でプレイ
  • ハード Nintendo Switch
  • 総プレイ時間 10時間程度

あまりに……あまりに一緒に遊ぶ人を選びすぎる……!

これが制作者によ公式ツイートなんですが……とても……とてもそういうゲームに仕立ててあって「少し悪趣味だな」と思うと同時に「狙い通りのゲームに仕上がっている」という悔しい気持ちでいっぱいです。

注意文多めの2PL秘匿HOありエモシのクトゥルフTRPGを遊ぶ時の気持で相棒を選んでください。
……これは頻子さんが例えた内容です。あまりに的確なので私も採用しました。

じゃあ楽しくなかったのかというと……私はかなり楽しんでしまった気がします。悔しいね。

ただね~~ゲームの方向性を理解して遊び始めた人はだいぶ楽しんでしまうのではないかと思います。
このゲームは音声による会話してないとプレイ困難なので、散々言われてますので会話できる状態でプレイします。しました。
そこに耐えれる程度の刺激が出てくるんですよ。まあリアクション取り放題ですよね。
YouTuberの様に派手に騒がなくても「アレ何?」みたいな「えええー!?」とかそういう反応して、会話して……ってやってると楽しい。とても楽しい。スラッシャー映画のウォッチパーティーが楽しいのと同じ。

仲の良い人と共同で作業をしてやり遂げるのも達成感がありますよね。
信用してる人とちょっとした物議を醸す事象に対して意見を述べ合うのも充実感を得られます。
ネタバレが推奨さない、ちょっと憚れる内容……だからプレイ内容が二人だけの秘密のようなものにもなりやすい。

そういう「二人で」の良さをすごくハックされた気がします。

悔しい。楽しかったです。
頻子さんの身体を張った(物理)献身が始まった時は大爆笑しました。

▼ゲームについて

▽2つの世界

見えてる世界が違う……はもうストアページからして全力でメインテーマなんで流石にこれを知らない人は居ないと思いますけど~~~~~~~~~

デザインもいいですね。
セレクトがいい。
このお家。ほんとドット絵として最高に良い。
壁に飾りたいのでアートカードとか欲しい。

機械の方の世界がポスアポで、金属の塊に飛び込まされたりして殺伐としてそう……に見せかけて絵本の方がエグいんですよ。
いやもう可愛い絵でエグい作風は一定の需要がありますよね!

そのうえでですね~~~~~
「可愛い絵柄でエグいのギャップ」が更に「プレイヤー同士のギャップ」にも利用されてますね。

機械側は機械になってから割と淡々と物語性で揺さぶられることは無いんですよ。
だけど絵本側は気分の乱高下させられてるという。

「壊れてる……」じゃないんですよ!

ギャップあるんだろうなあとは伝わっていたんですけど、2周目でチェンジした時(^^)な表情で内蔵見えてるとは思ってなかったので「ひえ」ってなりました。

あ、この犬は「修理」されて元気になります。

無事ってなんだっけ……

▽制御された悪趣味

先に「犬の修理」見せておいてなんですが、だめな人はだめだと思います(そういう人と遊ばないでね!)

でもなんかドット絵だし……そもそも二人とも幻覚の中だし……とかの予防線。
「非対称性で遊ばせる」と言う意図。
深刻な事が起きてるのに割とどんどん進んでいっちゃうみたいな。

プレイしていてしんどいくはなくて……むしろ笑っちゃうんですよね。
やっぱりスラッシャー映画をみんなで見る楽しさをマイルドにした味!!!

本当にひどい……!

この後、首が取れた状態で進んでいきます。
取れた頭部? もちろん「二人で」運びますよ!!!!

物押しスイッチに載せるし。
1人までしか乗れない吊り橋の仕掛けの上位版に身体半分じゃないと耐えれない吊り橋は出てくるし。
頭だけ落ちてる動物の残骸にくっつけられるし、動けるし。

ダブルチェリー的な、同じ動きをする操作キャラクターが増える仕掛けはよく見るけど、まさか増やした身体の死体を橋にするなんてね!!
しかも片割れはただただ相棒が頑張って橋を作るのを見守るんですよ。
ぼーっと。

「なんで!?こっちだけ負担多くない!?」という。
さらに橋になる方が絵本側なんで、絵面がひどいんですよ。
本当に深刻に負担が多いわけじゃないんですけど、この片方だけ畳み掛けてひどい目に遭うは定期的に起きるので……確信犯だなあ!

いやでも……犬の背中が割れて背骨が伸びるのは悪趣味だな!?

▽仕掛けの秀逸さ

↑の確信犯な悪趣味もなんですけど……いやああ……制作者すごいちゃんと理解して作っている。
悔しいほど仕掛けもうまい。

一番唸らされたのは頭部が取れた時の仕掛けです。
後半の大仕掛けなので気合も入ってるんでしょうね。

頭部が取れるのは悪趣味なんですけど、カメラのスクロールが頭部に追従するのがうまい。とても上手い。
そりゃそうだ。ましてや頭部が取れるのは機械を操作している側です(絵本側は相棒の頭部が取れるのを見る側)
カメラと考えるとすごく納得感がある。

下手に相棒に頭部を持っていかれると「ちょっと待ってよ!?」ってなるんですよ。
楽しい。二人プレイの楽しさ。

で、頭部を置いていかないといけなくなる。
面白い~~~~!
機械側は微動だにしない自分の頭部の画面を見ながら、相棒に誘導してもらって進まないといけない。
二人プレイ専用の遊びだ~~~!
それをこの悪趣味なビジュアルならではで表現されてる! 悔しい!!!

▼シナリオ

▽スタンド・バイ・ミーとポケモン

日本人スタンド・バイ・ミー大好きですよね。
小さい頃の一夏の冒険……家出……

『違う冬のぼくら』は冬が舞台なのですが、ものすごくスタンド・バイ・ミーでした。

もうほんとに!起承転結がスタンド・バイ・ミー!!!

  • 主人公が子供の頃を回想する入り
  • 複雑な家庭の子
  • 家出をする
  • 死体を見つける
  • 生きて帰りし物語
  • なんだかんだ疎遠になる

すごい!要素要素を抜き出すとすっごくスタンド・バイ・ミーなんですよ。

もちろん箇条書きマジックという可能性もあります、ありますけど……このゲームのED曲「stand by you」で……うん、すっごいわかりやすくアピールされてますね!!

あとですねえ~~パケモン!

緑があって~今金銀プレイ中で~次アドバンスでルビパが出る~……パケモン!

ものすごいデジャビュなんですが、コチラも全力でスタンド・バイ・ミーなんですよね。
最近ではとうとう死体まで見つけに行きますし。
家庭環境が複雑な子どもたちマシマシですし。

箇条書きにすると「あ~~~」って思いっきり元となった作品が分かって、でも別なコンテンツに仕立て上げてて、でもでも!明らかにリスペクト先は分かるようにしているのが好きで……これは良いなあと思いました。

▽エンディング、つまり3周目

『違う冬のぼくら』の1周目2周目のEDって青春したり下げたり上げたり最終的に「いつの間にか距離が開いて離れ離れになった」って流れなんですよ。
最高に良かったシーンを見せるけど、寂寥感が残るED。
それはそれできれいに丸くなってるんですけどね。

でも、やっぱり友との離別は寂しいよね。

イベント用の3週目はあると知っていて、その内容をやるならもう一人の友達の「ハル」の救済か、二人の再会かな~……特にハルは救いなく終わってるし。
でもこの悪趣味なゲーム、トゥルーエンド行けるよ!ってなった時、素直に幸せなトゥルーを見せてくれるかと言うと……「クトゥルーエンド何じゃない???」とも思っていて。

なのにちゃんとハッピーエンドでびっくりしました。

この作品の雰囲気なら割とEDやりたい放題だと思ったんですが……最後にプレイヤーの「こうだったら良いなあ」ってEDを少々無茶でもやったほうがプレイ後感が良くなるなあと悟ったり。

チュートリアルエリアがラストだとか。
鹿の死体の所=始まった所が最後の目的地だとかとか。

道中のシナリオ(夫婦/おじいさんと犬)は悪趣味なのにメインシナリオ周りはきれいにまとめちゃって……悔しいですよね……上手……